転職したら双子のイケメンがついてきた

「お兄さんに取られたくなかったから遠ざけようとして、クビだって言ったんじゃないですか??」


「えっ…」


「だって、自分のコピー状態なんでしょう??中身まで」


「まあ、それはそうですが」


確かに、仏様の頃と違って、やたら真言さんの距離感は近くなった。


「それに、中学、高校の初恋なんて大体思い出で儚く消えるもんです」


「尚志さんもそうなの??」


沙紀が心配そうに。


「中学時代の彼女が綺麗になって現れても、行かない??」


「気持ちがあれば、行かないよ。いくら綺麗になってても。よっぽど彼女と喧嘩でもしてれば勢いでって可能性は否定できないけど」


喧嘩してるみたいなもんですけど…。


「それでもね、こっちが思うほど相手が覚えてるとも限らない。片想いだったんでしょう??付き合ってもない」


「それはそうらしいですが」


「相手が不純な動機で近付かない限り、それ以上進展する可能性はかなり低いと思いますよ。むしろそっちに気を付けないと」


「不純な動機??」


「ありがちなのは、お金が必要とか、保証人になってほしいとか。断れないでしょ、惚れた相手が困ってるの」