転職したら双子のイケメンがついてきた
気が付くと、後ろ手に縛られ、目隠しをされてどこかで寝転がされていた。口は塞がれていない。
ふと、傍に気配を感じた。
小さな子供のようだ。
「うう…」
「…??柚希??」
「うう…」
こちらは口も塞がれているようだ。
「気が付いたか」
顔を近付ける気配がした。
「邪魔だから、しばらくここにいてもらうよ」
わざと性別不明に見せるために男口調で話しているように感じた。マスクか何かで声も篭っている。
それでもどこかで聞いた声だ。
こんな状況でもわかってしまう。これも特技と言えるのか。
前に拐われたときもそれで命拾いしたようなものだ。
「………ミヤマ、さん??」
ピクリと反応する。
「な、何言ってるんだ!?こいつ」
言いながら微かに声が震える。
マスクまでしているのにバレるとは思わないだろう。
「私を拐ってどうするんですか??この子だけでも放してあげて??」
身を捩りながら。
が、背中を蹴られる。
「黙ってろ!!」
声のする方に向くと、
「壬言さんのこと、好きなんじゃないんですか!?」