転職したら双子のイケメンがついてきた
そうしてひとりの女性客が現れた。
高杉真依(タカスギマイ)
猫の飼い主探しの依頼人だ。
「こんにちは」
「いらっしゃいましたよ、依頼主」
女子大生のようだ。
今は薄化粧だけれど、将来美人になりそうな、化粧映えする顔立ちだった。
「詳しくお話伺いましょうか」
「…この方は??」
怪訝な顔で見られる私。
「新人です。お気になさらず。何か飲み物お願いします」
脇の棚にポットとお茶、コーヒーのセットがあった。
「あっ、はい…」
こういう地味で当たり前の作業が、実はトラウマなんだよな。
だからってお茶入れひとつ出来ませんじゃ通らないだろうし。
「どうぞ」
当たり前のことが普通にできた。地味に感動する私。