転職したら双子のイケメンがついてきた


真言が入院していた総合病院で、受付に出向いて問い合わせてみた。


「ミヤマさん、いらっしゃいますか??」


仏様のスマイルで微笑む真言。
受付にいた女性がほぼ全員、集まりざわつく。


「み、ミヤマさん!?どちら様でしょう??」


普段事務的であろう女性も、ハアッと見惚れる。


「そういえば、この前も、ミヤマさん訪ねて来ましたけど、何かあったんですか??」


「そうなの??」


「ああそういえば。いたわね若い女性」


まだ午前中で10人ほど集まっていた看護士が、2人ほど見かけたようで、ねえと顔を見合わせる。


ビンゴだ。
確実にここには来ていた。


「入院中お世話になったので、ご挨拶に」


「今、席を外してます。伝えておきますね」


なぜか握手を求められる。
私も私もと、イケメンに触れようと集まってくる。


「また来ます」


再びにっこりと微笑む。


「あっ、ちなみにスリムな方のミヤマさんではないので」


カマを掛けてみた。


「ミヤマは1人ですが」


と、そのミヤマが戻ってきた。



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