転職したら双子のイケメンがついてきた


「まあ最近は、医療ミスだなんだと逆恨みして襲われることもあるもんで、お許しください。我々も大変なんですよ」


「お察しします。あっ、ところで、オンヤマと書いて御山、御山サクラという女性をご存知ありませんか??」


爽やかな真言に戻り、腰を低くする。


「御山サクラって、爽の従姉妹じゃなかったか??」


「あっ、私、急用を思い出したので」


その場を去ろうとした。


「待ちなさい」


主人に笑顔で呼び止められ、ピクリと止まる。


「この前から様子がおかしいと思ってた。何か知っているなら話しなさい」


穏やかな笑顔だけれど、目の奥が笑っていない。一番怖い、危険なタイプだ。


「知り合いが、この病院から出たあと、行方がわからなくなりまして」


「おや。それは心配ですね」



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