転職したら双子のイケメンがついてきた
昼休憩の時間。
連絡先を聞いていた真言にも連絡して壬言と2人、病院近くの喫茶店で、美山夫妻と。
「……ごめんなさい。ご承知の通り、御山サクラは私の従姉妹です」
タオルハンカチを口元に当て、ゆっくりと口を開く。
泣いていたのか目が赤い。
「怖かったんです。子供の頃から虐められて。家は遠かったから学校は別でしたが、お盆やお正月には親戚で集まるので遊ぶこともあって」
田舎の親戚によく行ったという。大人は誰も気が付かなかったそうだ。
見た目も可愛らしいサクラを、素直ないい子だと信じて疑わなかったらしい。
爽が妬んでいると思って、何かされたと言っても遊んでくれる友達を悪く言うものじゃないと、むしろ咎められたそうだ。
「面白がって、トイレに閉じ込められたり、嫌いな虫を靴に入れられたことも一度や二度じゃありません」
幼少期からそんな目に遭わされていたらトラウマにもなるだろう。
「そんなんだから、イタズラも多くて。見つかる度に私のせいにされるし、バラしたって怒ってまた閉じ込められて」