転職したら双子のイケメンがついてきた
「ふう、やっと見つけましたよ」
微かに聞こえた声にハッとする。
「真言さん!?」
「おや??どこからともなく、囚われの姫君の声が聞こえましたね」
キョロキョロと見渡す。
恐らく何10庫とあるのだ。
「そう簡単には教えられないよ」
遠くから聞こえた。
御山さんの声だ。やっぱり篭っている。
「やっぱりあんたかい。このブス女」
爽に向かって言い放つ。
隅で隠れて見ていたけれど見つかってしまった。
彼女が唯一、この場所を知る人物だろう。
「ここにもいましたね、性格ブスが」
鼻で嘲るサクラ。
「キレイゴト言ってくれるねイケメンさん。説得力ないよ」
「それだけわかれば充分です」
「後でどうなるか、わかってるんだろうね??」
低い声で爽を脅す。
「そうやって、今まで脅してきたって訳ですね」
穏やかに、けれど冷たい厳しい目で睨む真言。
本気で怒った顔だ。
「貴女こそ、こんなことをして、タダで済むと思わないでください。我々の大切な仲間まで拐ったんですから」
「居たか」
後から来た壬言さんの声。
体を捩って入り口まで行く。