転職したら双子のイケメンがついてきた


「みことさ…げほっ」


まさか。
ホコリに喉がやられた。
ついに自分の体を壊したか。


「……あいつはどこだ」


低い声で呟くように。


「何のこと??ねえ、私を愛してくれるんでしょう??神前くん」


「さて、どちらのことを仰ってるんでしょうね」


「決まってるでしょう??壬言くん。私のことずっと好きだったんでしょう??」


言って覆面を外すと壬言に近付き腕を絡ませる。


「残念だな、逆だよ」


「えっ!?」


腕を首元に絡ませる真言。


「やっぱり区別がつかないようですね、同じ格好だと」


舌打ちすると、すかさず足の甲に踵を落とすサクラ。


「いっ……!!」


ギリギリで避けたけれど僅かに掠めた。


「…??なんだか臭いますね」


クンクンと鼻を利かせる真言。


「知らないよ!!さて、お姫様はどこかな??」


ふふんと嘲るサクラ。



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