転職したら双子のイケメンがついてきた
お薬で少し落ち着いた私は、マスクをして手術室の前で、柚希の処置を待った。
「看護士さんから話は聞きました。…すみません。一瞬でもあなたを恨みました。また巻き添えになったと」
項垂れる弥刀さん。
巻き添えになったのはある意味事実だ。一緒に拐われたのは予想外だったけれど。
首を振ると、
「あの状況で我々が関わっていれば、悪い目で見られても仕方ありません。大切なお子さんなんですから」
「本当は、使われていた新しい薬が切れて体調が悪くなったんですね」
「…そのようですね」
そう考えたら、サクラも気の毒な女性なのかも知れない。
自分の子供も犠牲になって。
おまけに、好きになった相手は従姉妹を選ぶし。
いっそ、知らない他人の方が良かっただろうに。
さっき私の治療に当たった先生が美山だった。あの某キャラの熊みたいな人がタイプだったら仕方ないか。
「…そうですか、サクラ、捕まりましたか。…あれも家庭環境に恵まれなかったから、本当は爽に嫉妬してた、可哀想な奴です」
医師だけのことはあって、そういう心理もわかるのだろうか。