転職したら双子のイケメンがついてきた
「よかったわ!!無事やったんか!?」
沙紀の後ろから来た関西弁の若い男。同じ年くらいか。
よれよれのスーツ姿で、背は高くがっしりしているけれど、髪はボサボサで、目付きの鋭い男だ。
「…えっと…??あっ」
「さすが真来、思い出したみたいね」
「…松嶋(マツシマ)くん??」
「当たり!!声の記憶力、健在やな」
嬉しそうに、いきなり抱き締めた。
「ええっ!?」
戸惑う私。
またあらぬ誤解をされる!?
壬言さんの方を見ると、やっぱりムッとしている。
「えっと、彼は中学のひとつ後輩で同じ部活の」
「真来の元カレです」
「はっ!?」
赤くなって慌てる。
ニヤニヤしながら眺める沙紀。
「と、いうのは冗談で」
「ハグですやんか、ただの。しかしベッピンになりはったなあ!!マジで惚れてまいますやん」
「で、その後輩くんが何のご用で??」
さりげなく間に入る真言さん。