転職したら双子のイケメンがついてきた

――そして夜。


店に帰ると、2階の住居に上がるも途端に落ち着きがなくなり、苛立ちうろうろする壬言。
兄の部屋で、


「何で止めねえんだ!!バカ兄貴!!」


「止めたければ、自分で言えばいいのに」


余裕綽々と温かいお茶を沸かして淹れる真言。
湯飲みのお茶を、ふーっと吹き冷ましつつ、自分の部屋でくつろぐ。


「ああ、美味しい。我が家が一番落ち着きますね。今日は大変な一日でした」


舌打ちすると、どかっと胡座をかいて座る。


「………その、なんだ。あいつが居ると、モヤモヤするって言うか、……なんていうか、…触っていいのかどうか分からなくなるんだよ」


「驚いた。ここに来てようやく本音が出ましたね」


本当に驚いていた。
だから出ていけと、無理矢理に追い出したのか。他に言い方が見つけられなかったのだ。


「……傷付くなんて分かってた。…けど、どうしたらいいのか、分からなくなったんだ。…ほんとは、…思いっきり強く抱き締めたいのに。また蕁麻疹が出たらと思うと、……嫌われるに決まってる」


イライラしながら、髪をわしわしと掻く。



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