転職したら双子のイケメンがついてきた
ふっ、と離れると、
「僕でよければ、お付き合いしてみませんか??」
「よっ!!ヨロコンデ!!」
もはや声が上ずっている。
落ちてしまった。すっかり目がハートだ。
いいのかそれで。
なんとなくまた、嫌な予感がした。けれどたぶん、今何を言っても彼女の耳には入らないだろう。
「…お前んところの、良からぬ噂を耳にしてんけどな。ちゃあんと茉里を幸せにして、清いお付き合いできるんならええで」
「どういう意味だ」
松嶋くんをジロリと睨む緋居くん。
「さあてね。けど、手ぶらでは帰れへんもんで」
火花が散る。
結局、みんなには職業は伏せているようだし。何かあるのだ。
「えっ!?えっ!?やめて??私のために争わないで??」
突然の展開に、はしゃぐ茉里。
嬉しそうだ。
そりゃそうか。たぶん今人生最大のモテ期だろう。悪意なく素直に見れば。
何かが引っ掛かる。
松嶋くんと付き合えばいいのに。