転職したら双子のイケメンがついてきた
「ところで茉里は今何してるの??」
くっついて、直視できないほどベタベタ始まった。
「お父様の会社で、事務してます」
恥ずかしそうに。
むしろ初々しい。
「あっ、あと、花嫁修行でクッキングスクールと茶道習ってます!!いつでもお嫁に行けますよ!?」
頑張れ、茉里。
松嶋くんは、といえば、すっかりふて腐れて、ヤケ飲みを始めた。
さっきまで仲良くしてたのに。
そういうところがダメなんだろうな、茉里は、と思いながら、励ましにいく。
「元気出しなよ」
「…どうせ、俺なんて誰にも相手にされへんままオジイになんねん……」
「えっ!?松嶋くん…??」
言いながら、止まった。
イビキが聞こえた。テーブルに肘をついて箸を持ったまま寝ていた。
この状況で!?
よっぽど仕事で疲れていたのか。ライターも大変だ。