転職したら双子のイケメンがついてきた
――そして、
部屋に入るといきなり抱き締められた。力が、強くなる。
「えっ!?えっ!?」
「…うるせえ。黙ってろ、バカ女」
「…あの……はい」
まあいいか、と。
静かに抱き締められた。
「………その、…あれだ。……き、嫌いに、なったり、………しないでくれるか??」
静まり返った部屋で、微かに声が震えている。
「……なりませんよ。安心してください。どこにも行きませんから」
静かに応えた。
「……ほんとは、ずっと、ただ、こうしてくれるの、待ってました」
「……真言じゃなくて、いいんだな??……本当に」
よほど自信がないらしい。
そりゃああれだけ癖の強い、要領のいい、同じ顔の兄が同じ屋根の下にいれば、そうもなるか。
「……無愛想で不器用で、真っ直ぐなあなたが、貴方だから、好きなんです」
「……余計なお世話だ、バカ女」
静かに言うと、唇が、重なった。