転職したら双子のイケメンがついてきた


「おはようございます」


翌日。
仏様の笑顔が、妙に艶々していた真言さんがお店に出て来た。


「よくお休みになれたようですね」


分かっていて、大人の対応だ。


「あっ、そうだ。緋居くんのこと、調べてほしいんです」


開口一番に。


「……まだ、あのホスト野郎のこと気にしてんのか」


もう他の男の話を、と少しムッとする壬言さんが品出しを終えて入ってきた。


「違いますってば!!茉里ですよ!!…余計なお世話かも知れませんけど」


赤くなって慌てる。


「分かってますよ。大体言いたいことは。カタギでない人間は空気でわかります」


気付いてくれていた。


「お友達のことも気掛かりですしね」


とくに彼女のようなタイプは、詐欺に引っ掛かりやすい。


「その件もあって、玖美さんに会って来たんですが」



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