転職したら双子のイケメンがついてきた
「いつものコースでお願い」
「かしこまりました」
よりによって、隣の部屋か。
眞城くんのお母様だ。
ひいい。
「やっぱり癒されるわ、ここは」
「ありがとうございます」
聞いてもないのにお喋りが始まった。
「今回は予算が多目にあるので追加でお願いしてもいいかしら」
「少々お待ちください。お時間の確認をして参ります」
「私の時間は大丈夫よ??」
「いえ、このあとの別のお客様のご予約が…」
「そんなもの、放っておきなさい。私がしたいの」
冷たくもきつい言い方だ。
傲慢さ、我が儘が見てとれる。
よく覚えてないけれど、こんな人だったかな。
ああそういえば、まだ小学生の頃、そうそうなかったけれど、お家にお邪魔したとき。
具合が悪かったか何かで居合わせて、私も含めてうちの家族とはあまり付き合うなとか、言われた記憶がある。