転職したら双子のイケメンがついてきた
「ああ…心のコリまで解れていくようだわ…」
「そうです。僕は奥さまの味方です。愚痴でもなんでも、仰ってください。心まで解して、穏やかな心の美しい女性にして差し上げます」
「…ありがとう…」
落ちた。
悪魔の顔でニヤリと微笑む。
「………ほんとはね、ここだけの話。誰かに主人を止めてほしいの。入り婿なんだけど」
やはり婿養子の暴走だったのか。元もとそれなりの家柄だったであろうけれど、上司に気に入られ、官僚の娘と見合い結婚して昇格し、見境がなくなったのだ。
そのうちに、情報の横流し、横領や事故の揉み消しで見返りを求め出した。
歯止めが利かなくなっている。
「あなたに話しても仕方のないことだけど。誰かに聞いてほしかったのも事実よ」
「お助けしましょうか」
「どうやって??」
「さてここに、若返りの魔法の化粧水があります。ひと瓶一万円でいかがですか??」
おいおい。
また始まった、悪い癖が。
「冗談でしょう??」
「もちろんです。では仏様のお力を拝借しますか」