転職したら双子のイケメンがついてきた

沙紀から携帯に連絡があったのは、水撒きを済ませた夕暮れどきだった。


「茉里の携帯、昨日から何度掛けてもメールしても繋がらないんだけど、何か知らない??」


「さあ、知らないけど、どうかした??」


「ほら由利の結婚式の花束、そろそろ具体的に打合せして、モノを大体見せてもらおうかって話してて。ついでに真来にも会いたいしって」


「ああ、そうだったね」


結局どうするんだろう。


緋居くんか松嶋くんと上手くいってくれたら、壬言さんを貸さなくて済む。


何もないだろうけれど、やっぱり嫌だ。彼氏を貸すのは。


「それで、いつなら都合がいいかと思って連絡しようとしたんだけど。捕まらないのよ。こんなこと今までなかったのに」


遅くなっても何らかの返事は来たらしい。


また、なんとなく嫌な予感がした。


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