転職したら双子のイケメンがついてきた
「……う~ん…、ましろ、くん」
酔い潰れてソファで寝てしまった茉里。幸せそうだ。
ある程度飲んで酔ったところに、睡眠導入剤を水に入れて飲ませていたので少々のことでは起きないだろう。
そこまで計算済みだ。
日も暮れて、辺りはすっかり真っ暗になっていた。
防波堤の小さな外灯がぼつりぽつりと灯るだけだ。
「2人きりになりたいから」
と、手伝いの人間は帰らせていた。
そして、船舶の免許はなかったけれど、見よう見まねで知っていた緋居は、こっそりと陸地から離していた。
「……ごめんな、悪気はないんだ」
ボソッと呟く緋居。
「あいつもバカなことしたよな。俺にしとけばいいのに」
由利とも付き合っていた緋居。
「他に好きな人ができたから」
と、振られた。
美しかった彼女に、誰もが惹かれた。