転職したら双子のイケメンがついてきた
メモに大体の贈る相手の特徴や、何用か聞き、走り書きすると、冷蔵になったショーケースを開け、手際よく花を見繕う。
切り花はとくに、冷えた場所に入れ、定期的に水をあげないと干からびて弱ってしまう。
中には水に弱く、たっぷり水を入れすぎて根腐れしてすぐ弱ってしまう花もある。かといって華やかな色の花は水をよく吸う。
すごく繊細で難しいものだ。
「すごい……」
思わず見惚れた。
「で、厄介なことって??」
「お仕事中ですよ??」
咎めるけれど、壬言さんは構わず、
「こっちも仕事だ。遊びに来てんなら帰るか」
「そんな言い方しなくても…」
「俺のやり方に口出すな。で??」
真言さんに向き直る。
他にお客はいなかった。
あまり混んでいる花屋というのも見たことはないが。