転職したら双子のイケメンがついてきた
彼氏と喧嘩をしていたので、気晴らしになるか、連れて歩くには申し分ないルックスだしと。
―――そうするうちに、
父が昇格し、緋居が高校を卒業する頃には幹部候補にまでなっていた。
「緋居くんのお父さんてすごい人なんだね」
デートのときに父を誉められると、悪い気はしなかったけれど、やはり少しの妬みはあった。真面目なだけで評価されるのは面白くなかった。
そんな父も、知らない間に罠にはまり、情報の横流しに手を貸していた。
家族にも言えず、ひとり苦しんだけれど、家族を守りたい一心で告発も出来ずじまいだった。
そしてそんな中。
由利から、元彼からストーカーされているから助けてほしいと持ちかけられた。
緋居を本命にした方が何かと得だと切り捨てた男だったけれど、そんなことは知らず、暴力を振るい、過失で怪我をさせた。
スキャンダルだ。
真面目だった父が、その頃から揉み消しに手を染めてしまった。