転職したら双子のイケメンがついてきた


もう一度、スーパーキリシマの事務所に電話をしてみたけれど、席を外していたのか繋がらなかった。


事務所は大抵店の奥だけれど、6時を過ぎると閉店までの2時間は、一旦無人になり施錠されるらしい。


やむなく店内に直接電話を入れてみる。


『…さあ、そこまでは』


『私は今日は会ってないから』


と、従業員もよくわからない状況だった。


タイムカードはあるものの、出勤時間もまちまちで、居合わせる確率も低いようだ。


『誰か今日、茉里さん見ました??』


と電話の向こうで話しかける声がした。恐らく広い店内なのでインカムでのやり取りだ。


すると、ひとりの若者の声がした。


『ああ、彼、先月入ったバイトの子です』


『ええ、そう言われてみれば、俺来たときすれ違いましたけど、やたら浮かれてたような気はしましたけど。スキップしてる大人、久々に見ました』


「どこかに行くとか、誰かに会うとか、聞いてないですか??」



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