転職したら双子のイケメンがついてきた
『そこまでは、あっ、でもデートデート、って鼻唄歌ってましたね』
明らかに緋居とデートだ。
わかりやすい。
けれど、どこで会うのかどこに行くのか。ましてやこの時間からだ。
「…水嶌にも協力要請、願いますか。万が一のために」
「そうですね」
私も頷く。
「私も、他の友達、当たってみるわ」
「お願い」
やっぱり眞城くんは茉里の王子様じゃないかも知れない。
何もないことを祈ろう。
「どこか行きそうなところ、……今からだと夕食、ホテルでレストランとかディナーとか、…夜景のきれいな、……海の見えるところ??」
ハッ、と顔を見合わせた沙紀と私。
「クルーザー!?……なんて持ってないか、さすがに」
「いや??彼女を口止めするにはそっちの方が手っ取り早そうですよ??」
「……だからって、口止めでそこまでします??考えてることが同じなら、………殺人ですよ」
「もはや、警察官というよりは、理性の欠如したただの人間に成り下がった可能性も否めません。万一のことを考えた方がいいでしょう」