転職したら双子のイケメンがついてきた


「な、何言うてんねん、なあ」


赤くなって頭を掻く。


「あらあらお友達??賑やかね」


50代くらいの女性が花束を手に入ってきた。
ふくよかな朗らかそうな女性で、明らかに茉里の母親だ。持つ雰囲気がそっくりだった。


「彼氏もできたし、よかったわね??」


「あっ、いや、俺はその」


母にウインクで目配せされる。


「そ、そうやな。この際、はっきりさせよか」


オホンと咳払いすると、


「改めてご挨拶に伺いますけど、茉里さんと結婚を前提にお付き合いさせてください、お母さん」


ひゃあっ、と息を飲む女性陣。
まさか今ここで言うとは思わなかった。


どこかで私も聞いたな、と。やっぱり病院だった。


「…いいの??茉里は…」


見ると、もう既に涙が溢れて顔がくしゃくしゃになっている。
母も涙ぐんでいた。


「…よろしくお願いします…」



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