転職したら双子のイケメンがついてきた
―――翌日、
緋居くんを張るために出張だった松嶋くんは、有給も使って残ってくれたけれど、一旦、会社に戻った。
「残念だったな、イケメンふたりもいなくなって」
開店準備中、ふて腐れて嫌みを言われる。
日に日に涼しくなり、季節は秋に近付いていた。
服装も長袖で、袖捲りくらいはするけれど、壬言さんのアレルギーも目立たなくなっていた。
「そうですね、残念です」
しょんぼりして見せる私。
でも私なんかに拗ねてくれることがすごく嬉しかった。
「調子に乗ってんじゃねえ。借金、いろいろ上乗せしてやるから覚悟しとけ」
「ええっ!?いろいろって、何ですか!?」
小さな植木の鉢を整理しながら。
むにっと頬をつままれる。
「ほういへば」
「何言ってるかわからん」
「はらひへくらはい」
つねった手を離される。
もう素手でも大丈夫なようだ。
「若い女の人、お手伝いにきてましたよね??」
「こんにちは」
「いらっしゃいま…」
彼女だ。