転職したら双子のイケメンがついてきた
柔道経験者の龍人は分厚い唇の、今は短めの茶髪で派手な服装だけれど、180㎝で肩幅の広い巨体だ。
高校は中退していた。
新士は書道部で、色白眼鏡の草食男子だった。
一見真逆のふたりは幼馴染みで、何かとお互いに助け合っている仲良しだった。
そして、
油断したようだ。
龍人に足を掬われ、バランスを崩した萌絵。
起き上がった新士に両手首を持たれ、壁に押しつけられてしまった。
「………っ!?」
無理やり唇を押し付けられ、身動きが取れなくなる。
膝蹴りを入れようと動かした足は、いつの間にか打ったらしく激しい痛みが走った。
「……か、たすけて……」
生まれて初めての屈辱だった。
悔しい。
何のために鍛えたのか。
自分がまさかこんな目に遭うとは。誰かに助けを求めるとは。