転職したら双子のイケメンがついてきた
「何か仰いましたか??」
「……あ、…ありが…とう」
痛む足を引き摺りながら、ふて腐れて、萌絵がボソッと。
と、新士が様子を伺うように恐る恐る近付いてきた。
「…な、なによ…まだ文句あるの??」
言い終わる前に、ガバッと土下座すると、地面に頭を擦り付ける。
「さっきはごめんなさい!!頑張るから、もう一度チャンスをください!!」
そこまでやるかね、と呆れる3人。
「……………仕方ないか、アンタくらいだもんね、そこまでしてくれたの。……仕方ないから、わたしが守ってあげるわよ」
言っている意味がわからず、固まる新士。
けれど、バッと頭を上げると、
「ホント!?ホントにいいの!?」
「……見た目は、嫌いなわけでもないって言うか、………だから」
ややこしい。
「好みのルックスだそうですよ」
「そっ!!そんなこと言ってない!!」
真っ赤になって否定する萌絵。
涙目になる新士。
「はいはい。そろそろ素直になりなさい。青春。若いっていいですねえ」
言うことが年寄り臭い。