転職したら双子のイケメンがついてきた


明るめの少し長い茶髪に、程よく日焼けした肌。目鼻立ちのはっきりとしたイケメン。


黒いスーツがよく似合う。
サーファーでもしていそうなチャラ男だ。


「お名前は??」


男が訪ねる。
恐らく支配人の河志多琉生(カワシタ ルイ)だ。


「…えっと、松下美姫(マツシタ ミキ)と申します」


偽名だった。
履歴書ももちろんデタラメだ。


「そちらの彼女はダメなんですか??」


「あっ、はい、すみません。私が1人じゃ心細くて、着いてきてもらって」


「一緒ならいいですよ??明日からでも」


「えっ…、さ、採用…と言うことですか??」


「貴女たちのような、若くて美しい女性なら大歓迎ですよ」


にっこりと微笑む琉生。


この詐欺師のタラシが。
と思いつつ、営業スマイルで応える沙紀。


「嬉しいっ!!ありがとうございますっ!!」


わかりやすく媚びる沙紀。


「貴女はバーター、オマケでね」


ははは、と顔をひきつらせた。
そうでしょうね、と。



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