転職したら双子のイケメンがついてきた
「いや、えっと」
その顔から突然発せられた予想もしなかった言葉に、戸惑いを隠せなかった。
「……初めて見たときから、雷にでも打たれたような衝撃を受けた。支配人や他の男連中はあんたの友達を狙ったり気になったりしてるようだがな」
壁ドンされて追い詰められた。
「他に男がいるんなら、ひとまず二番目でも構わねえ。そいつから奪い取る自信はある」
顔が近付く。
躊躇うことはない。相手にする必要もない。
それなのに。肩を押し返すのを躊躇われるほど切実に、誠実に見えてしまった。
いや待てよ。
「……あのっ、その代わり、琉生のこと、教えてもらってもいいですか……??」
「…なんだ、お前も結局、支配人目当てか」
突然、悔しそうな、妬ましげな切ない顔になる。
思わず、
「そうじゃないです、友達が、あの、沙紀が、知りたいって。私は別に琉生のプライベートにも興味ないんですけど」
また下手な嘘をついてしまった。