転職したら双子のイケメンがついてきた

―――翌日。


ダークナイトの定休日で、私も休み。花屋のサポートの日だった。季節は秋になり、朝晩じわじわ冷え込み始めた。


私も、店から借りて店名のロゴ入りの薄手のジャンパーを羽織っていた。


お店のワンボックスカーで運転する壬言さんと配達中の車内で、私の携帯のバイブが鳴った。
車の通りの少ない町中。


「あっ…」


「誰からだ??…真言じゃないのか??」


ちらりと私を見て、ボソッと壬言さん。


「いや、あの、えっと」


登録してあった左樋さんの携帯からだ。


花屋の番号すら、言われるまで登録するのを忘れていたのに。


沙紀に言われてたまたま登録していた左樋さんから、いきなり掛かってくるなんて!!


なんで!?
困った。
出るべきか。いや、何の用かわからない。


急ぎの用なんてとくにないはずだし、業務連絡ならショートメールで済ませることになっているはずだ。


とりあえず放っておくことにした。


「…出なくていいのか」


なんとなく嫌な予感はした。10コール鳴っても切れない。
留守電の設定にしていなかった。


困った。


「……構いません」


「出ろよ。いい加減うるせえ」



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