転職したら双子のイケメンがついてきた
『――ああ、訂正します。真来さんは私が頂きます。そういうことですので、ご挨拶まで』
ブツッと切れた。
真面目な人なのかもしれないなんて、感情を持ってしまったばかりに。
こういうのを隙を作ったというんだろうな、世間では。
隣で冷や冷やしていた私。
ガツン!!
という音に、ビクッとする。
拳で思い切りドアを叩く壬言さん。侮辱された苛立ちが頂点に達していた。
「……何でテメエはそんなに隙だらけなんだよ!?」
私に向いて怒鳴った。
まともに目を見て怒ったのは初めてだった。本気で怒っているのが分かった。
「ホントに惚れたんじゃねえだろうな!?何でごまかそうとした??何で隠そうとした??」
「………ごめんなさい……」
剣幕に押されて、それしか出なかった。
「ごめんじゃねえだろ!?どうすんだよ!?ああ!!もう!!!」
「ごめんなさい!!あっ、でも代わりに琉生のこと話してくれるって約束してくれましたからっ」
言い訳に必死だ。
「……そんなもん出任せに決まってんだろうがよ、バカ女。……もう、お前の友達からある程度の情報は入ってる。他のお嬢と仲良くなって色いろ探ってくれたみてえだ」