転職したら双子のイケメンがついてきた


「私だって暇じゃないのよ!?」


そう言いながら、入ってきたのはキャリアウーマン風の、薄いベージュのスーツをビシッと着こなした女性だ。


出るところはしっかり出て、括れもちゃんとある、スタイル抜群の、肩まであるウェーブヘアを後ろで束ねた、目鼻立ちのはっきりしたきれいな人だ。


「ご苦労さん」


壬言さんが素っ気なく対応する。


「……誰??」


私を見るなりキョトンとする。


「あいつまたよその女連れ込んだね!?白昼堂々!!」


袖捲りして奥に行こうとする。
が、壬言さんが抑える。
ずっと軍手だ。


「待て待て。新入りだ。ほれ自己紹介」


「えっ!?ああ、はい。さ、榮喜真来と申します。今週からお世話に」


「ホントに!?」


顔を近づけ、まじまじと見る。


「な、何か…」


ふーん??と腰に手を当て、


「まあ、いいわ。和久井玖美(ワクイクミ)。一応弁護士。よろしくね」


「べ、弁護士!?すごいですね!?」


「別にすごかないわよ」


なに気に素直に感動され、照れる玖美さん。


「あっ、真言には気をつけた方がいいわよ。ああ見えてタラシなところあるから」


「え"っ!?そうなんですか!?」


「それが原因で離婚したからね」


「え"っ!?」


妻子持ちどころか、バツイチなんだ!!と改めて驚く。



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