転職したら双子のイケメンがついてきた
「そ、そうなんですか!?」
さすが、人を使い、顧客を取り込む立場の主任候補をするだけあって、手際がいい。それが一番、危険性なく手っ取り早い。
場に馴染むのもお手のものだ。
「で、どうすんだ!?こいつ」
「どう、と仰られても」
「考えは、それしかなかった、ってことだな、つまり」
うっ。
浅はかですみませんね、と。
「だって、そうでも言わないと、本当に厭らしいことだけされていたかもしれないんですよ??」
「……確かに、タラシ込みそうな奴だがな」
真言さんは、私ごときに何が出来ると思って送り込んだのか。
いやむしろ、沙紀を使うために私をダシに使ったのかもしれない。
「…お前はもう行かなくていい。いや、行くな。……そんな奴に取られてたまるかよ」
腕を痛いほど掴んで引き寄せられて、半ば強引に唇を塞がれた。