転職したら双子のイケメンがついてきた


『いやでも、楽しいよ??彼氏と会社にさえバレなきゃね』


途中から声を潜める。
私の心配をよそに、あっけらかんと応えた沙紀。


今日は沙紀も通常の仕事の休憩中だ。


私も昼休憩で、近くのパン屋さんで買ってきたサンドイッチをお店の近くの公園で頬張る。


よく考えたら、四六時中お店にいるので、一人になる時間もないと真言さんが気を利かせてくれた。


とても静かで、いつの間にか季節は変わり、秋の風が心地よい。


『こんな経験、そうそう出来るもんじゃないからね!!あ~んな格好で。アガるったら』


テンションが上がって仕事まで順調だという。


「それなら良かったけど…」


『ただね~、尚志と会う時間が減った上に、楽しそうにしてたら変に疑われたらマズイから気を付けなきゃ。軽くワケありってメールくらいしといていいかな』


「………ごめん……」


私の声のトーンで気付いたみたいだ。


『うん??何かあった??もしかしてまた喧嘩した??』


「……左樋さんから電話来ちゃって」


『そう来ましたか!!あ~まあ、真来はマニア受けするから』


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