転職したら双子のイケメンがついてきた


「そんなことより、接見には行けそうなのか?」


「せっけん…」


もう、コーヒーを普通に出せるようになった。パイプ椅子に座り、ありがとう、と口に運ぶ玖美さん。


妙に嬉しい。


「面会のことだ。佐仲芳子の」


「殺人罪ともなると模範囚でもいつ出られるか」


「冤罪だそうですね、気の毒に」


眉をひそめる私。


「そう。数少ない一族ぐるみのね。明日、時間取れそうだから行ってみる??」


「俺たちは店がある。そのためにこいつを雇ったんだ」


「はい???」


そういうことなんですか!?


「相変わらずね。アレルギー酷いの??もったいないわね。真言がダメなら壬言にしようと思ったのに」


「残念だったな、蕁麻疹はひどくなる一方だ」


とくにあんたは圏外だと言う顔だ。


「壬言さんて、彼女さんとかいらっしゃらないんですか??」


「勇気あるのか空気読めないのか、それ今聞く!?」


あっ、となる。


「…ごめんなさい、無神経でした…」


「大きなお世話だということだけ言っといてやろう。このバカ女」


< 35 / 383 >

この作品をシェア

pagetop