転職したら双子のイケメンがついてきた


そして翌日。


お店に来た玖美さんと一緒に拘置所へ向かう。


「……初めて来ました…」


声を抑えて。


「普通そうそう縁のあるところじゃないからね」


それはそうだ。
あっても困る。


真依には取り敢えず面会が終わってはっきりしたことが分かるまでは内密に、ということになった。


こんなところに居ると分かれば、例え冤罪でもショックを受けるだろう。と。


そして向こうのドアから芳子さんが現れた。


地味な囚人用の作業着を来て、顔色は優れない。伸びた髪は後ろでひとつに束ねてあった。


赤の他人の第一印象からでも、犯罪を犯す空気は感じられなかった。


よくテレビで、まさかあの人が、とインタビューされているが、本当に、そのまさかだ。



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