転職したら双子のイケメンがついてきた


財閥に帰ると、庭で細やかなパーティーが開かれていた。


「お姉さま、これは…??」


「おねえ…??」


香緒里さんに腕を組まれた私が驚く。


「…気に入られたもんだな」


俺ですら腕を組むのも最近やっと慣れたのに、と複雑そうな顔で壬言さん。
苦笑いする私。


「お帰りなさい、お疲れさま」


真言さんが笑顔で迎えてくれた。腕にはやはり人形のように彩斗が抱っこされている。


「…あなた……!?」


先に来ていて茉里に驚く由利。
松嶋くんもいた。


「そういうことになったんで」


照れ笑いする松嶋くん。
茉里が腕を組みながら、


「これ、式の招待状。来てくれるわよね??」


ここぞとばかりに封を手渡す。
面白くなさそうに受け取る由利。


琉生から勝手に招待状を出されていたとはいえ、自分よりずいぶん幸せそうだ。


佐樋がいる身でありながら、見せ付けられたようで悔しかった由利。


勝手なもので、真来の次に、茉里には自分より不幸であってほしかったのだ。



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