転職したら双子のイケメンがついてきた
「今、真言まで、と仰いましたか??」
言われて、しまったという顔でハッと口を押さえる壬言さん。
「どうやら、真来さんもお気に召したようですね。では多数決で壬言の負け。つまり」
香緒里さんの前に立つと、
「貴女次第で、我々の仲間に入れますが、如何なさいますか??」
「面白そうですね!!作家兼業でも構いませんか??」
香緒里さんが目を輝かせて食いついた。
「ダメだっつってるだろうが!!」
慌てて止めに入る壬言さん。
「お店の権利は僕にあります。拒否権はありませんよ??ご存知でしょう??」
「………いっ、今はよろず屋の話だろうがっ……」
「いずれにしても、お店絡みの権限は僕ですよ」
「……う…」
言い負かされてしまった。
悔しそうだ。
「この僕が、みすみす殴られっぱなしなわけないじゃないですか。手遅れですよ」
ふふん、と鼻で嘲る真言さん。
やっぱり悪魔だ。