転職したら双子のイケメンがついてきた
にゃあお、と、
どこからともなく猫の声がした。こんなに早く見つかるかと。
しかも周りが静かで、何もない分よく通る。
「猫を飼ってらっしゃるんですね??では触らないお部屋の方がいいですね」
「ああ、えっと、どうしましょう」
嘘がつけないタイプのようだ。一人おろおろする。
と、軍手越しに、壬言さんが手を取る。
「大丈夫ですよ、すぐ終わりますから」
にっこりと微笑む。
不意打ちに横から見えたその笑顔は、もちろん目の前の婦人に向けられた営業スマイルだ。
が。
ヤバい。むしろ私がヤバい。
何だこれは。
何だこの背後からボーガンで撃ち抜かれた感じは。
ぶるぶるぶるっと頭を振る。
頬をパンパンと叩く。
何だこの人は!!!