転職したら双子のイケメンがついてきた


「ところで真来さん、今日このあとお時間ありますか??」


店に帰るなり、真言さんに言われる。


「えっ!?」


今日は臨時休業にしていた。
まだ明るいが、もう時間は5時になろうとしていた。


後は片付けて帰るだけだ。
壬言さんは駐車場に車を戻しにいっていた。


「真来さん、いや、真来ちゃんと二人きりがいいんです」


え"え"え"え"!?


戻ってきた壬言さんをちらりと見る。


「何だよ」


「あっ、あのっ、お仕事の区切りがついたお食事」


お食事会なら、玖美さんも誘って改めて皆で、と言おうとしたけれど、いきなりぐいっと肩を抱き寄せられた。


「真来ちゃんと二人がいいんです」


どど、どうしよう。どうすれば!?唐突な展開に、パニックになる。
が、舌打ちすると、


「本気にするな。いつもの癖(ヘキ)だ」


「癖とはまた、酷い言われようですね。で、どうします??」


「さ、3人なら」


「俺はパス」


というか。
私は何を気にしてる。
何に期待してる???


「俺はアレルギーだってんだろうが。構うなよ」


一瞬、冷たい視線を向けると、そのまま出て行こうとする。


「あんたの惚れたのは真言だろうが。口説かれてんなら素直に喜べ」


そうなんだけど。



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