転職したら双子のイケメンがついてきた

何かがおかしい。
何がおかしい??
大人の女性の、夢のようなデートなのに。


「…あのう」


「何か??」


「……いえ、なんでも」


なにか??何か違和感を覚える。
それが何かわからない。


お洒落なカフェでランチも食べた。


また、あちこちでウインドウショッピングをして、港の見えるカフェでまた休み。


そのまま海辺の歩道を散歩した。夢のようなひとときはあっという間に終わった。


夕方に差し掛かり、次に向かったのは、なぜか前に勤めていた会社だった。


「…壬言さん……??」


まさか、と。


「今、なんと??」


ふと、振り向いた。


その先に、営業で外回りから帰り、駐輪場に向かう稲垣くんが視界に入った。


「あっ…」


思わず声が出る。
気付いた真言さんが、


「知り合いですか??」


「えっ!?いや、はあ、…一応同じ会社で」


この状況で、振られた相手ですとは言えない。


「そうでしたね」


言って、つかつかと近付くと、


「これは貴方の持ち物ですね??」


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