転職したら双子のイケメンがついてきた
「そちらの会社の爽やかな営業マン、稲垣慧さんがとある場所からこのバイクで猫を投げ棄てるところが写ったものと、その音声諸々が入っています」
「どういうこと!?」
驚き戸惑った表情で、稲垣くんを見る七菜。
「な、何のことです!?変な言いがかりはやめてください!!」
怯えた顔になり、動揺のあまり声が震える稲垣くん。
「猫の首輪に、GPSと録音チップ、超小型カメラを仕込んでおきました」
にやりと笑うと、
「なんなら不法投棄なり虐待で、このまま警察に行ってもいいんですけどね。ただの猫嫌いでそこまでしますか普通」
「違う!!そんなのは僕じゃない!!証拠はあるのか!?」
ふう、とため息をついて腕組みすると、
「バイクの型、ナンバーは記憶してました。後はあなたのアリバイですかね。ここまで行き着くの苦労しましたよ」
「ま、真来さん、七菜ちゃん、僕がそんなことする訳ないでしょ!?信じてくれるよね!?」
言い逃れに必死だ。
女ふたり、こんな姿は見たくなかった。