転職したら双子のイケメンがついてきた


「こんな物!!」


七菜からバッ!!と封筒を奪うと、それごと目の前でビリビリに破いた。


「君も、どうなるか覚悟しとくんだな!?」


七菜に向かって怒りを露にする。


「…稲垣くん…!?」


豹変した稲垣くんに、おののく七菜。


「僕にこんな恥をかかせて、ただで済むと思うなよ!?受付嬢なんて代わりはいくらでもいるんだからな!?」


「言っちゃいましたね~」


「何!?」


狼狽した稲垣くんが真言さんに振り向く。


「ガッツリ映ってますよ、お宅の防犯カメラに今の姿。ちなみにそれはもちろん偽物(ダミー)なんで。ホンモノなんか直で渡す訳ないでしょう??」


「な……??」


キョロキョロと見渡す。駐車場や駐輪場には防犯カメラは付き物だ。
それなりの会社なら当然ながら。しっかりとその姿は捉えられていた。


「ホンモノは今ごろバイク便の速達で、課長さんに届いてますよ。その件の呼び出しじゃないんですかねえ」


「くっ……!!そんな馬鹿な」


「ああそうそう、今の会話もこいつで繋がってるんで」


上着の内ポケットからスマホを出す。


周章てて建物に駆け込む。
おろおろしながら後を追う七菜。


「仕返し、できましたかね」


「えっ!?」



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