転職したら双子のイケメンがついてきた


「壊し屋な地味子さん、彼にも言われて振られたんでしょう??」


「……ていうか、壬言さん、ですよね??」


「何のことでしょうか」


「……気持ち悪いのでやめてください。似合いません」


舌打ちすると、


「……いつから気づいてた」


「わりと初めの方です。1ミリも私に触れようとはしませんでしたから。っていうか、食事したのは真言さんですよね??」


「合ってるな」


「私が寝てから入れ替わったということですか??」


「合ってるな」


頭を掻くと髪のゴムを外して後ろで纏める。


「蕁麻疹は!?」


「……平気みたいだな」


「何で!?」


「知るか!!ああ、面倒臭え!!うだうだ言ってっと、また痒くなる!!」


思い出したように、ふわっと赤みが出る。
けれど随分ましなようだ。


「私は平気ってことですか??」


「……真言じゃなくて悪かったな」


「何がです??」


「何でもねえよ!!」


そうだ。
人工呼吸も間違いなく壬言さんだ。


< 78 / 383 >

この作品をシェア

pagetop