転職したら双子のイケメンがついてきた
「壊し屋な地味子さん、彼にも言われて振られたんでしょう??」
「……ていうか、壬言さん、ですよね??」
「何のことでしょうか」
「……気持ち悪いのでやめてください。似合いません」
舌打ちすると、
「……いつから気づいてた」
「わりと初めの方です。1ミリも私に触れようとはしませんでしたから。っていうか、食事したのは真言さんですよね??」
「合ってるな」
「私が寝てから入れ替わったということですか??」
「合ってるな」
頭を掻くと髪のゴムを外して後ろで纏める。
「蕁麻疹は!?」
「……平気みたいだな」
「何で!?」
「知るか!!ああ、面倒臭え!!うだうだ言ってっと、また痒くなる!!」
思い出したように、ふわっと赤みが出る。
けれど随分ましなようだ。
「私は平気ってことですか??」
「……真言じゃなくて悪かったな」
「何がです??」
「何でもねえよ!!」
そうだ。
人工呼吸も間違いなく壬言さんだ。