転職したら双子のイケメンがついてきた
「後は、唇を触る癖ですね」
「あん??」
「考えるとき、唇を触るのが癖みたいです。壬言さんの」
驚いた顔で見る。
「まあまあの観察力だ。誉めてやる」
「パートナーですから」
「あんなの嘘に決まってるだろうが」
「ええっ!?」
「帰るぞ」
停めていた車に乗り込む。
「あっ、これ、ありがとうございます」
服と髪を触って、お礼を言う。
「誰がやるって言った」
「えっ!?違うんですか!?」
「全部で何万だったかな~、そうそうアパートの畳替え代も立て替えてたな。後で纏めて請求するから、耳揃えて返せよ」
そういえば、いつの間にか畳がきれいになっていた。
「ていうか、いつ入ったんですか!?」
「彼氏です、中で彼女が死んでるかもって言ったらすんなり入れたぞ」
そんな甘い管理人だったのか!?
「ヒドい!!そんな!!そんなお金ないです!!」
「知ってるよ。払い終わるまで仕事、辞めさせねえからな」
けろっと。
これが弟の癖(ヘキ)か!?
なんか詐欺だ!!