転職したら双子のイケメンがついてきた


20分も走った頃だろうか。
本当に、何の気なく。
吸い寄せられた。


誰にあげるわけもなく、自分用にでもなく。


ああ、こんな花があるんだ今は、と。自転車を邪魔にならない場所に止めて、ぼんやり眺めていた。


「贈り物ですか??」


不意に声を掛けられ、ハッとする。


「あっ、いえ、見てるだけで…」


固まった。
イケメンだ。
花束を手にしたイケメンが目の前に。


いや待て落ち着け私。
何をしに来た。


天然なのか掛けたのか、ふわふわしたパーマヘアが様になる、目鼻立ちのハッキリしたイケメンが。


背が高く、半袖から覗く程よい筋肉質の腕、やや色黒の肌。


もろストライクだ。


「いや、えっと…」



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