不思議の国の物語。
「ルン、ルン、ルン♪ どっこいっくぅ~♪」
いつもと同じくらい明るい麻折。
「どこでもいいよ。」
あたしはそっけない。
「じゃあ、あそこにしようよ。」
あたしは言った。
「んー♪ あそこってどこぉ~。」
「あそこのドアの中。」
「…そっか。 もうチョコとお別れだね♪」
あたしは信じられなかった。 明るくて無邪気な麻折と離れたくなかった。
「嫌、嫌よ。」
「ダメだよチョコ♪ ここは言ったでしょう? ふ・し・ぎ・な・国って!♪」
「う…うん。」
「だから五つのお部屋に分かれているのっ♪ ここで空想のお部屋とお別れなの♪」
「そ、そうだね。」
あたしは別れたくはなかったけど…。 そうだねとしか言いようがなかった。
「じゃあねっ♪ チョコ♪」
「うん。 じゃ、またね。 また会えたらいいね♪ 麻折。」
そしてあたしは麻折にお別れをし「妄想の部屋」と書いてある部屋の扉を開けた。


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