不思議の国の物語。
ニコッと笑って麻折は空を見上げる。
ちゃんとチョコは言っただろうか。 肝心なことを。
「でもーそれはー♪ チョコのぉ~♪ 物語~♪ あたし達は~関係ないー♪」
本当にそうだ。
これはあたしの物語じゃない。 チョコのだ。
ニッコリ微笑む。 
パンッ。
銃声の乾いた音が響いた。
「あ、あぁ。 あれ?」
麻折はなんであたしがと撃たれるのと思った。 
あたしはなんでこうなっちゃったんだろう。 
何にも悪いことはしてない。
言う通りにしただけなのに。
「じゃあな。 麻折。」
懐かしい声を響かせその少年は空想の部屋から出て行った。
「フフ。 出来なかったね。チョコ。」
話しながらもここは想像の世界。
砂となって消えていく運命(さだめ)だ。
「じゃあね。 みんな。」
そういって、第一の守護者、麻折は消えた。

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