不思議の国の物語。
第一章 おじさんとあたしと殺し。
「ほぉら、みてご覧。 ここを。」
そういって大道芸のおじさんが指差した。
「うんっ。」
お客はあたししか居ない。 おじさんは… 指差しながら魔法をかけた。
「じゃあお嬢(おじょう)ちゃん…どんなのがいいかい?」
そういってカードを裏返しにして引くように言われた。
「えぇっとねぇ…。 これっ。 これがいい!」
シュッ。 カードを手渡しておじさんが見た…。
「お嬢ちゃんは運がいいね。 なんてったって不思議の不思議の国へ行けるんだ。」
「??」
あたしは意味が分からない。
「じゃあ目を瞑って(つむって)もらえる?」
コクン。
あたしは首を縦に振り目を瞑った。
おじさんは変な呪文を唱え、どこかへ消えた。
いや、血だけが真っ赤に残っていた。
「フフ…。 やっぱりお嬢ちゃんは運がよかったよ。人殺しの罪を消してくれたか…。」
その後は聞けなかった。
「ハハハハハハ。 アハハハハハ。」
あたしは笑い転げた。 そうじゃないと狙われちゃうから。
「不思議の不思議のお国についた白雪姫~♪どこへ行って消えちゃうのかなぁ~♪」
そしてあたしは奇妙な歌を歌い続けた。