不思議の国の物語。
あ,髪がグシャグシャになっちゃった。
「集中!!」
「は…,はいっ。」
言う通りにして集中…。
これが終わるのっていつになんだろ。 そう思った瞬間…。 バチィっと電気の音がした。
「チョコ,無視してろ。」
「う,うん。」
はぁ…。 黒戈が溜息をつく。
「なんで,こっちに来たんだよ。 姉貴。 そいつ担いでさぁ。」
「うるさいなぁ。 ちょっとだけでもいいから麻折ちゃん修復してあげなよ。」
「ん? んぁ?♪ チョコじゃないか?♪。」
「あ,チョコ無視してろ。 集中切らすな。」
…誰が喋っているかさっぱりわかんねぇ。
「ちょっとみんな千世子が困ってるわよ。」
えぇ。 そうです。 困ってますよ。 あたし。
「はぁ。 あ,よし。 チョコ終わったぞ。」
「はいはい。」
あたしが眼を開けたら…。 血まみれの燐火と砂になりそうな麻折。 そして,もう死んでいるような様子を見せるJだった。
「…。 あり,みんなどしたの?」
「はぁ…。 お前何にも…っておぃ! 姉貴戦闘シーンこいつに見せなかったのか?」
と黒戈。
「うん。 だってさぁ~。 麻折ちゃん狂ってたから。」
と燐火。
…黒戈が燐火のことを姉貴って呼んだ。 ってことは,この二人は兄弟??
「あ,チョコ俺達のこと兄弟って思ってるぞ。」
「ううん。 違うよ。 あたしと黒戈はお父さんが一緒なだけだよぉ。」
…聞いちゃまずかった。 なんか空気が重々しい。
「おぃ,燐火お前空気読め。」
「んー? 空気嫁??」
「もう,言い。」
…父が同じでも性格は正反対だなぁーとあたしは思った。
「まぁ,この話はいいとして。 この世界は麻折が居ないと設立しないからな。 しゃぁない。 治すか。 あと,こいつも。」
そういってJと麻折をつれ部屋の奥へ向かっていった。
その間燐火はさきほどの戦いをくわしく,そして分かりやすく教えてくれた。

< 30 / 83 >

この作品をシェア

pagetop